中国障害者芸術団 JAPAN First tour 2007「千手観音-My夢Dream-」

イントロダクション

『千手観音 My 夢 Dream』 出演者インタビュー

8月中旬、『24時間テレビ 愛は地球を救う』出演のため来日した中国障害者芸術団のタイ・リーファさんと、団員のみなさんに緊急インタビューを敢行、しなやかで雄弁な手話で語った真摯なメッセージが届いた。
忙しい合間を縫っての取材にも笑顔で応える素顔の彼女たち。
その清々しい表情に、ふと『千手観音』の神々しい輝きが重なる瞬間も――。

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写真(左から)フン・イエンソン/タイ・リーファ/ワン・ディー/ヤン・ジンユエ

様々な感覚を研ぎ澄ませながら、心を乗せて踊るのです。
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――日本で初めてのツアー公演が決定して、今のお気持ちはいかがですか?

タイ・リーファ 日本には1987年以来何度か訪れているので、親近感があります。特に思い出深いのは2002年の来日時、日本の障害者団体のみなさんと2ヶ月くらい一緒に過ごしたことです。そこでは私たちが彼らの文化活動のお手伝いをしたのですが、とても友好的な関係を築くことが出来て嬉しかったのを憶えています。もちろん、ツアー公演の実現もとても嬉しい出来事です。

――みなさんの踊りの技術はとても素晴らしいものですが、ベースは中国の伝統舞踊なのでしょうか?

タイ・リーファ 私たち中国障害者芸術団は、ある程度のレベルに達した技術を持つ人しか入ることが出来ません。メンバーの多くは小さな頃から踊りをやっている人がほとんどなので…そうですね、伝統的な中国の踊りを知っている人が多いのは確かです。

――しっかりとした基本があるからこそ、独創的なプログラムが生まれるのですね。『千手観音』もそうして創り出された演目だと思いますが、ここまで完成させるプロセスでは、困難なことも多かったのではないかと。

タイ・リーファ 『千手観音』のプロジェクトは2000年からスタートしました。当時は12人で踊っていたのですが、やはり一番難しかったのは1体の観音の姿に見えるよう、ひとりひとりの手の高さなどを変えて合わせることでした。テクニカルな面での細かい調整にはかなり時間を割きましたね。今は21人で踊っているので、踊りを揃える難しさはさらに上がっていると言えるでしょう。また、『千手観音』の音楽はメロディーがハッキリしたものではないので、そこに身振りを合わせていくのも大変でした。

――踊るときにみなさんが持つ“身体や心で音楽を聴く”という体験は、どのような感覚なのでしょう?

タイ・リーファ 例えるなら、自分の身体に大きなステレオが張り付いたような感じです。そこから伝わってくる微妙な振動で音楽やメロディーを感じ取っていく。この感覚を養うのが、練習のときにもとても大切なことになります。これが第一歩。本番では必ず舞台脇に手話の先生がついて手振りでタイミングを取ってくれているので、音楽の振動だけでなく、踊りながら目の端でその手振りも確認し、呼吸で周りのダンサーたちとのタイミングを合わせる。このように様々な感覚を研ぎ澄ませながら、心を乗せて踊るのです。

『千手観音』を通して自分の“愛”が世界に広がっていく・・・
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――では、団員のみなさんはリーファさんたちが創りあげてきた『千手観音』の世界をどのように見ていましたか?

ワン・ディー 「初めはただただ“難しい踊りだな”と思っていましたが、実際に自分が参加し、観音という神様を演じるうちに、“神様が人々を助ける気持ち”が自分の中に湧いてくるようになりました。今は『千手観音』を通して自分の“愛”が世界に広がっていくような気がしています」

ヤン・ジンユエ 「私は以前別の芸術団にいたのですが、当時初めて『千手観音』を観たときは、自分の技術とは大きな差がある高度な踊りだと感じました。でも、同時に“何があっても自分も彼らと同じように踊りたい”という気持ちにもなったので…こうして参加できて、とても幸せです」

フン・イエンソン 「そう、幸せですよね。だからこそ私は、こうした障害者がパフォーマンスする“特別な芸術”があるということをたくさんの人々に伝えたい、という気持ちで踊っています」

――みなさんのこれまでの活動を通し、日本でもますます『千手観音』のファンが増えています。秋のツアーを楽しみにしている日本のオーディエンスに、ぜひメッセージをお願いします。

タイ・リーファ 今回のツアーで私たちが創って来た“特別な芸術”を日本の仲間に伝えることが出来て、とても嬉しく思っています。私たちの踊りを初めてご覧になる方もたくさんいらっしゃることと思いますし、お客様も初めてなら、私たちもみなさんにお会いするのは初めて。
そんな“初めての気持ち”を大切に、みなさんの前で踊る日を楽しみにしております。

リハーサル模様
 ※リハーサル模様

(取材・文:横澤由香 / 撮影:渡部晋也)


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